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2009年01月24日

いぶき打ち上げ成功!

昨日、種子島宇宙センターから、温室効果ガス観測技術衛星「いぶき(GOSAT)」が打ち上げられましたね。

さて、今回の衛星の焦点となった温室効果ガスですが・・・・

ぶっちゃけ温室効果ガスって何なん?

という疑問を持つ人も多いのではないでしょうか。(僕もその一人でした。)
また、なぜわざわざ宇宙から測定する必要があるのか?
そのデータが何の役に立つのか?
今回、そんな今更人には聞きにくい疑問にお答えいたします!

 

温室効果ガスとは?

地球温暖化の原因と言われている気体のことです。
二酸化炭素やメタンが有名ですね。
これらをひっくるめて「温室効果ガス」と呼びます。
「いぶき」は「二酸化炭素」と「メタン」を測定できます。

 

どうやって宇宙から観測するのか?

地表面で反射してくる太陽光をフリーエ分光して吸収スペクトルを観測することで・・・・・とまぁかなり技術的な話になってきますので要約します。
簡単に言えば、地上から放出される赤外線の量を測定するんです。温室効果ガスは赤外線を通しませんので、赤外線の放出量が少ない地域は、温室効果ガスが多いということになります。

 

なぜわざわざ宇宙から観測するのか?

地上での観測では、同じ時間帯に何箇所も測るのが難しいうえ、偏りも出てしまいます。
現在、地上では約260点の観測ポイントがあり、1ヶ月に1度、観測結果が配信されます。
「いぶき」なら、地球上の約56,000点の観測ポイントを3日間ごとに計測できます。すべて同じ計測機器、同じ条件で計測しますので、偏りの無いデータを取得できます。
これはとても画期的なことです。

 

温室効果ガスの測定データは何の役に立つのか?

やはり、地球温暖化対策というのが最も大きいでしょうね。特に日本は地球温暖化への意識レベルが高いと言われていますが、現状ではなかなかうまく対策できていません。意欲はあるものの、技術が追いついていないんです。そんな中、「いぶき」の打ち上げは温暖化対策の突破口になると僕は思っています。

 

 

 

さて、ここからは個人的な意見なんですが・・・

「いぶき」から取得される温室効果ガスのデータ、これは国際的にかなりやばいシロモノじゃないかなーなんて思ってるんです。地球温暖化は今や国際的に大きな問題になっています。「京都議定書」で国ごとに温室効果ガスの削減目標を課せられているほどです。(アメリカは離脱)
「いぶき」は、国ごとの温室効果ガスの濃度をこれまでにない精度で測定できます。これは、温室効果ガスを多く排出する国(アメリカ、中国、ロシアなど)の政府にとって、あまり良いことではないかもしれません。
データの公開には各国から圧力がかかる可能性はもちろんありますし、開発時にもそういう圧力はあったという噂もあります。

余談ですが、気候変動や温暖化を研究するアメリカの科学者1600人以上に対して、研究結果の公表をひかえるようにアメリカ政府から圧力があったというアンケート結果が出ています。

 

投稿者:まさat 15:14| 宇宙情報 | コメント(0) | トラックバック(0)

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