アメリカが開発した最初の有人宇宙船が、「マーキュリー」です。中をのぞいてみると、宇宙飛行士1名がやっと乗り込める広さしかないことが分かります。弾道ミサイルの弾頭部分に取り付けられるように設計されたため、必要最低限のスペースのみ設けられました。
打ち上げには、「レッドストーンロケット」が使用されました。地球を1周するだけの性能は無かったため、15分間の弾道飛行(打ち上げから放物線を描いて落下する飛行)のみを行いました。
この円錐の形は、NASAのこだわりが見える部分です。打ち上げの空気抵抗が最も小さく、帰還する際は底部(面積が広い部分)から降りることで減速しやすいため、有人宇宙船として最も効率が良い形であるとされました。さらに、底部には冷却用の樹脂が塗られており、帰還の際は樹脂が溶け出すことで、宇宙船を熱から守ることができます。